2015年8月2日日曜日

エヴァの本を借りました

「そんなに太ってないでしょ」と関係各位に気を遣わせていることに最近ようやく気づいたのでタイトル変えました。すっきり。

そういったわけで以降はぼちぼち色々書くブログになります。


___

以前くさぱんさん(@kusapan)という大学の先輩にエヴァ本を借りました。

『庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオン』(http://www.amazon.co.jp/dp/4872333152)と『庵野秀明 パラゾ・エヴァンゲリオン』(http://www.amazon.co.jp/dp/4872333160)、いずれもちょっと前に世間を賑わせた太田出版です。
(3月にお借りしたのですが、行動が鈍いものでご返却するのがようやく今月という始末に。至らなすぎる後輩であります。)

お返しする前にもう一度読み込んでしっかり感想を伝えようと思ったのですが、記憶力が怪しいのと喋るのが下手な性質なので、先にブログにしっかりまとめておくことにします。
今回はスキゾ〜の方を書きますね。


0. エヴァとワタクシ
感想に行く前にエヴァと私の関係性に述べるのは、「おまえ貴重な本を借りといて、なぜそんな陳腐な感想しか出ないんじゃ!」と他の誰より自分で思いそうなので、先にエヴァと自分の関係について述べておきます。
興味がない人は読み飛ばすのをオススメします。

___

エヴァというコンテンツに最初に触れたのは記憶にないぐらい古いので、結構長い付き合いです。

理由に、母親がアニメや漫画が非常に好きな人なので、オタク偏見もなんのその普通に日常に存在したコンテンツだったと思います。私自身もドラゴンボールやセーラームーンといったアニメが好きでしたし。

それで、私は当時セーラームーンの中でセーラーマーキュリーが好きだったので、エヴァについては綾波レイという女の子のビジュアルを見て「可愛い」という感じで、好意的に取ったと思います。あと当時はナデシコのルリしかり、『沈黙している美少女』がやたら人気だった時代だったんじゃないかなあ。

しかし最初は親が観せてくれなかったというか、放送が深夜帯だったのでそもそも観ることができなかったような。(当時住んでいたのは都内ではなかった気がします)
だからストーリーはそのとき全く知らなかったんですよね。

ただ、当時アニメソングだけをピックアップした番組があった気がするんです。司会が多分今田耕司さんか東さんで。
それで高橋洋子さんが堂々と『残酷な天使のテーゼ』を歌っていらしていて、バックにアニメOPの映像が流れていて、それで1話とか冒頭の話を何かしらで見て……、それでやっぱりいい印象が残っているんだと思います。


そして時が流れて、普段は仲が良好な母と兄が珍しく口論をしていたんです。
なんだろうなと思って聞き耳を立てていたら、

「エヴァが放送されていたのは夕方の時間帯だ。母さんの記憶は間違っている。」
「いいや、深夜帯だね。だってその時間帯に姉とそのダンナと観たもの。」

という話。
真偽はさておき、普段温厚な兄がここまで主張して、それに対して負けじとエヴァについて語る母がすごく新鮮に見えて、そこから私も「エヴァってどんな話なんだろう」とようやくネット検索したんだと思います。

そこでまず最初に渚カヲルというキャラを見て、「え、なんだこのイケメンは」とものすごい衝撃を覚えたんだと思います。

私の知っているエヴァの中学生キャラって、シンジ・レイ・アスカ・トウジ・ヒカリ・ケンスケで、その中で当時私の中でピックアップされていたのが、容姿的な意味でレイだったんです。

それが、レイと同じような雰囲気を持つ美形キャラのカヲルがいるわけです。もうびっくり。今でこそパチンコのCMとかでカヲルが出てくるけど、当時メディアもシンジ・レイ・アスカの三強ばかり取り上げていた気がするし。

興味を持ったので兄や母に聞いたところ「そいつは一話しか出ないから。観ていないおまえが知らなくて当たり前w」と煽られたのをきっかけに、まず24話から観てそのまま最終話まで観るというとんでもない入り口から入ったんじゃなかったかなあ……(でも当時その”途中から観る”という行為についてどう考えていたかはちょっと記憶にない)

そこでシンジの『エヴァに乗りたくない』とかそういう悩みがなんとなく当時の自分には合っていたんじゃないですかね。
初めて最終話を観たとき、ものすごく号泣した記憶があるぐらいですし。


あと、貞本さんの画風が自分の中で衝撃的だったんだと思います。

当時の私はPS2のゲーム『キングダムハーツ』が好きで、あの絵柄の影響をものすごく受けて絵を描いていたんです。簡単に言えば線が太い。
対して、貞本さんの描かれるキャラって線が細いんですよね。

だからそれまで線を太くして描いていた自分には、そこがとにかく衝撃的で嵌ったんだと思います。だから漫画とウエハースチョコを買って、イラストを見て研究して、一日5体はチルドレンの誰かを描いていました。(サラっと書いているけど黒歴史だなあ)


まあだから、貞本さんを除くエヴァのスタッフさんまで気が回らなかったんですね。
(しかし強いて言えば漫画・カールビンソンが好きだったから、あさりよしとおさんには興味があったけど、エヴァスタッフだったことを知るのはだいぶ後)

とにかくエヴァの世界観やキャラ、絵柄を理解して自分のものにしたい、と。
そのため、エヴァの設定画が載っている本は手に入れる一方で、アニメインタビューの類いには全然触れなかったんですよ。

そしてそのまま成長してしまい、話がようやく戻ってくさぱんさんから「この本をぜひ読んでみてください」と上述の2冊をお借りさせてもらったとき「庵野さんのインタビューか…、正直エヴァと『風立ちぬ』でしかよく知らないんだよなあ。ナディアは記憶にうっすらだし、エースを狙えは見てないし。でもエヴァの世界が理解できるなら面白そう」という感じでした。


で、その程度の前提知識で読み始めたよという導入話でした。


1.スキゾ・エヴァンゲリオン
冒頭から凄かったです。

確かに時代は一致しているんですが、庵野さんに質問するインタビュアーがしきりにあの”オウム”とエヴァを大半は「強引すぎる」と思わせるほど絡めながら、インタビューを続ける様子がとにかくすごいなあと。

私の中であの集団は、軽率に触れてはいけないイメージがついて纏うんですが、「なんでこんなにあっけらかんと絡めながら質問するんだろ? そしてそれらの質問に対して庵野さんも普通に答えているの?」と、とにかく不思議で不思議で、冒頭を読み進めるのは結構キツいものがありました。

逆にそのあたりを突破できたら、すごくおもしろかったですね。

一番印象に残っているのは、インタビュー中に師である宮崎駿監督をけちょんけちょんに批判しているんですが、その表現として「宮崎監督はパンツを脱いでいない」、挙げ句の果てに男性器を用いているのが良い意味で「ブっ飛んでいるなー、庵野さんってこういう人なんだw」と思いました。でもあくまで好意的に「ここまで言っちゃうんだw しかも師匠でしょうwww」という感じ。
もし庵野さんが女性だったら、ここの表現がどうなっていたのかが非常に気になります。(そしたらエヴァは生まれなかったのかもしれませんが。)

次に印象に残っているのが、エヴァを作り終えたときにものすごく死にたかったと庵野さんが答えているのが、衝撃でもあり一方で「あーやっぱりなー笑」という感じでした。
(それぐらいエヴァってやっぱりすごいコンテンツですよねえ。)
あとここと絡めて最終話付近について、様々な試行錯誤の末ああなりました、という話も「ホントですかwww」と思いつつも、「まあ庵野さんがこういう人ならそうなるのは納得だな」と妙にすとんと入ってきました。

最後に”ファンは頭が悪くて嫌い”という発言に対して「えー」という気持ちを最初こそ持ったんですが、読めば読むほど「庵野秀明さんという方なら、そういう気持ちを持っても不思議ではないな」と、後半部分にあった”僕と同じ位置に身をおくことのできる人はいない”という言葉と共に繋がりを感じました。

逆に言えば庵野さんがここまで批判的でないと、エヴァって作られなかったんじゃないかなーという感じです。
もうホント、テレビや映画といった娯楽メディアをのほほんと観る人たちに対して片っ端から喧嘩売ってるような発言してますし……。
でもしっかり勉強されていることがインタビューからよくわかる分、読み手はそういった発言に対して「すみません」という気分を持つしかないという感じでした。


あとエヴァ1話はガンダム1話に勝てなかった、という話には驚きました。

私はエヴァを観てからファーストガンダムを観た人なんですが、私の中でエヴァは各個人の心の動きを中心に取り上げているのに対して、ガンダムはむしろ戦局がいまどうなっているかという、世界観を中心に捉えている違いがあるんじゃないかと思うんですよ。

で、私がエヴァにハマった決定的な理由は、たぶん当時はものすごくシンジに共感を示していたんですよ。つまりキャラ>世界観でアニメの良さを判断していたんですね。

対してガンダムのアムロって、1話で家族を目の前で失ったフラウ・ボゥに対して「しっかりしろフラウ・ボゥ! 君は強い女の子じゃないか!(ちょっと曖昧)」って弱虫なくせに彼女に叱咤するじゃないですか。
もうそこで「はーー? アムロおまえ引きこもってたくせになんなんだよ。」と、彼にはわりと共感できなかったんですね。

だから個人的にはガンダム1話よりエヴァ1話の方がすごく好きなんですが、庵野さんはインタビューの中で構成・脚本はもちろん「少年がロボットに乗るのを、すごく素直に見せている」という具合にガンダム1話を評価されていて、「そういう見方もあるんだ…」と思いました。


次に庵野さん以外のスタッフインタビューでしたが、さらに庵野秀明さんという方の人間性がよくわかるインタビューで読み応えがありましたね笑

庵野さんのインタビューを読んだ限りでは、私は庵野さんについて「すごく知的で冷めた人だ」と思っていたのですが、スタッフさんたちの座談会で庵野さんについて「とにかくすぐに怒鳴り散らす」と言われていて、これもまたおもしろかったです。

そして庵野さんはとてもモテる、という話がおもしろかった。
庵野さんには人間全般嫌いそうなイメージがついてまわったんですけど、それでも庵野さんの周りには人がたくさん集まってくる様子が見て取れたのがおもしろかったです。

エヴァに関しては、庵野さん自身もよく固まっていないままエヴァという話を持ってきて、一年ぐらい経ってようやく人に説明できるようになったエピソードといった制作の裏話とか、カヲルや綾波について各スタッフがどういう思いを抱いている(抱いていた)のかが知れて大変興味深かったです。

強いて言えば、随所に出てくるアニメタイトルは全く知らないものが多く、そして脚注の解説も出版社の人の主観がかなり入ったよう書き方だったので、対象として持ち上げられていてもよくわからなかったことが多く読み進めるのがちょっと大変でした。



___

とりあえずここまで。

最近あったことと言えばようやく研究室のゼミが終わって一息ついてます。
ただしまだまだやるべきことはあるんですけど、一つ一つ解消していけるように日々時間意識を持って押し進めようと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。